サッカー本

【アイムブルー】日本代表ファン必読のサッカー小説です!

サッカー小説、アイムブルーの写真

木崎伸也さんの著作のサッカー小説、アイムブルーを読みました。

サッカーを小説で描くというのは斬新だな~と思ってこの本を読んだのですが、実際に読んでみると小説とサッカーの相性が想像以上に良くて、すごく面白かったです。

あまり小説を読んだことがない人でも読み進めやすいし、サッカーの基本理論や戦術論を知りたい人も、日本代表の様々なエピソードを知りたい人も、この物語を通して様々な気づきを得られるはずです。

特に日本代表が好きな方、長年日本代表の試合を見続けてきた人であれば決して損はしない、むしろ必読の本と言えます。

「サッカー観戦をもっと楽しむ!」という観点からも非常にオススメできる書籍だったので、アイムブルーを読んでみた感想を紹介したいと思います。

目次

 

サッカー小説・アイムブルーの紹介

アイムブルー【I'm BLUE】はロシアW杯の直前、2018年5月21日~6月19日にスポーツナビで連載されていたものを書籍化したサッカー小説です。

→ I'm BLUE(アイム・ブルー)サッカー連載小説 - スポーツナビ

「GIANT KILLING」でも有名なツジトモさんがイラストを提供し、各登場人物もイラスト化されて登場人物をビジュアルで想像しやすいようになっています。

物語の舞台は2030年3月。

スペインとポルトガルの共催で行われるワールドカップ本大会を控えた日本代表が、本大会を迎えるまでのチーム内の人間関係、選手と監督の人間模様にフォーカスを当て、どのようにチームがまとまり、本大会に挑んでいくか?という過程を描いた物語です。

この本の帯にはそれが「80%の事実と20%の創作」を掲げており、あくまで事実ベースの創作物語になっています。

 

アイムブルーはただのサッカー小説じゃなかった!

この本自体は小説ですが、この作品の面白さは物語だけではありません。

この小説の本当の面白さは、事実をベースに脚色を加えたエンタメ性のある脚本にしながら、そのジャンルの知識、今まで触れることのなかった新情報を物語を通して受け取ることができる、つまり歴史小説のような面白さをサッカー小説を通して楽しめることです。

しかも、「小説を通して様々なサッカー知識が身につく」というのがミソで、今まであまり知られていなかったような

  • 日本代表の実際のエピソード
  • 戦術論的な基本知識

を物語を通して触れることが出いる点が、この本の魅力です。私は一気のこの小説の世界観に引き込まれてしまい、300ページを超える小説を3時間ほどで一気読みしてしまいました。

 

サッカーの戦術の基本知識が身につく

この本を読んでいて新鮮だったのが、小説を読みながら様々なサッカー知識が身につけられること。

これは今までにない斬新なアプローチで、「こういう方法でサッカーを表現することができるのか」とすごく新鮮な気持ちで小説を読み進めることが出来あmした。

物語の最中、サッカー戦術における基本理論や「へぇ~」と言いたくなるような諸外国の事例がふんだんに散りばめられてるんで、読んでいて飽きない。

例えばP70では守備に関して監督が決める事項として、

  1. 守備をどこからスタートさせるか(ディフェンスラインの設定)
  2. リスタート時に選手が戻る基本ポジション

など、サッカー観戦時に頭に入れておきたい戦術的な基本理論を、物語を通して学ぶことができます。

戦術論以外でも、例えば

  • ドイツ代表のワールドカップに向けた準備ノウハウ
  • バルセロナの下部組織ではなぜ1タッチ練習がないのか?

といった雑学的な理論の紹介も途中に沢山あるので、物語を楽しみながらサッカーを学ぶという新しいアプローチを可能にしています。

 

歴代の日本代表の系譜や具体的なエピソードを知れる

この物語はあくまで2030年の日本代表の話。しかも創作です。

でもその創作の中に、過去の日本代表に話が沢山出てきて、もちろんハリルホジッチ前監督時代を想像させる箇所も山程でてきます。(あくまで虚構の物語の中でね)

例えば過去の日本代表監督が取り組んできたゾーンディフェンスの系譜。「日本には守備の文化がない」と発した監督の真意、その後を継いだ監督が日本代表の守備構築にどのように取り組んできたのか。

あるいは、日本代表でお馴染みになってしまった(?)選手ミーティングの話。

特に印象的だったのは「日本人は自分たちで戦術を考え始める悪癖がある」という一文です。

チーム内で影響力のある選手がどのポジションに集まっているのか?によって、選手ミーティングで出される結論が左右されてしまうなど、「80%の事実」のもとにリアルな描かれ方をしています。

ロシアW杯に関連する部分では、とある選手(背番号4)本大会直前に監督室を訪れて「遠慮せず自分を先発から外して欲しい」と談判した話。

あるいは南アW杯のオランダ戦、ロシアW杯のポーランド戦の先発メンバー漏洩問題で、どこから情報が漏洩したのかを推測して幾つかの説をまとめた記述箇所。

このように、報道だけでは知れない部分もこの創作物語を通して受け取ることができます。

 

サッカー好きに人は、読書の秋にぜひ!

サッカー小説、アイムブルーは今までになかった全く新しい手法で日本サッカーを表現した作品です。

サッカー日本代表を長年追い続けてきた人、試合をずっと見てきた人であればあるほど、興味が湧いて一気に読み進めてしまう魅力を持った小説でと思うので、ぜひ日本代表ファンの方に読んで欲しいですね。

小難しく話が一切ない読みやすい本なので、本を読み慣れていない人、小説をあまり読む機会がなかった人でも、サッカー好きであれば一気に読み進められる本だと思います。

ぜひ書店で手にとって見てください。オススメ!

 

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